無線LANは電子レンジが苦手
無線LANに使用されている電波の周波数は、IEEE802.11b/gの場合2.4GHz帯(2.400〜2.4835GHz)が割り当てられていますが、この周波数帯には無線LAN以外に、Bluetoothと言われる近距離無線通信システム(2.400〜2.497GHz)やアマチュア無線(2.400〜2.450GHz),電子レンジ(2.450GHz)などの他に、医療機器や工業機器などにも利用されています。
このような同じ帯域の電波を利用する機器を、無線LANと接近した状態で使用した場合、無線LANネットワークの通信を妨害されることが予測されます。
Bluetoothやアマチュア無線を使っている方から見れば、無線LANが通信を妨害していると反論もありそうですが、ここでは無線LANと電子レンジの干渉を中心に検証してみたいと思います。

電波法によれば、無線LANの出力は10mW以下、また電子レンジの漏洩電波は5mW以下と定められていますが、数値的な表現ではなかなか実感できません。
無線LANの場合、障害物がなければ数百メートル離れていても通信ができる訳ですから、近距離にある電子レンジのノイズは非常に驚異的な強さになるのではないかと思われます。
実験では、観察用の無線LANクライアントPCを電子レンジから5m程度離れた場所に配置しました。

右の図は、観察用無線LANクライアントPCにインストールした、無線LANのモニタプログラムを使って、IEEE 802.11bの利用環境に、電子レンジが与える影響を観察した時のグラフです。
図の緑色の部分が信号レベル、赤い部分がノイズレベルを表しています。
電子レンジを使用するまでは安定していたグラフが、加熱を始めたとたん電波が大きく乱れ、別のクライアントPCで再生していたAVIファイルも度々動作が止まるなど、実際の通信にも大きな影響が出ていました。
しかし、電子レンジの動作が止まると何事もなかったようにグラフが安定しました。

ところで、このような電波の干渉は無線LANの全帯域で発生しているのでしょうか。
上の実験では11chを使用していましたが、各チャネルの影響を確認するために一つずつチャネルを変えながら電子レンジの影響を観察してみました。
予想としては、電子レンジが使用する周波数の中心に相当する9ch付近を考えていましたが、結果は上の図のように11ch前後にノイズが集中していました。
また、1〜7chの範囲ではほとんど影響を受けていないので、この範囲のチャネルを使用すれば電子レンジの影響を受けずに無線LANを利用できそうです。
注意:上記の結果はあくまでも1例であり、すべての電子レンジで同様の結果になるとは限りません

無線LANを利用する環境に、同じ周波数帯を使用する機器が無い事が一番望ましい訳ですが、どうしても配置を変えられない場合は、影響を受けないチャネルを調べて変更する以外に方法はないようです。

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